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膝が痛くてもスクワットしていい?理学療法士が痛みの判断基準と負担を減らす方法を解説

「スクワットをすると膝が痛い」
「膝に違和感がある日は、筋トレを休んだ方がいいのかわからない」
「膝が痛いのにスクワットを続けると、さらに悪くなりそうで怖い」
「40代、50代になってから、立ち上がるときや階段で膝が気になるようになった」

このようなお悩みはありませんか?

膝に痛みや違和感があると、

「スクワットは禁止した方がよい」
「膝を曲げる運動は危険なのではないか」

と考える方もいると思います。

しかし、膝が痛いからといって、すべての方がスクワットを避けなければならないわけではありません。

痛みの程度や出る場所、スクワットの深さ、身体の使い方などを確認しながら、運動内容を調整できる場合があります。

この記事では、K2 STYLE FITNESS所属の理学療法士・森野秀明が、

  • 膝が痛くてもスクワットできる場合
  • 痛みを判断する目安
  • 膝に負担が集中しやすいスクワット
  • 初心者向けのスクワット方法
  • 運動を中止して医療機関へ相談した方がよい症状
  • K2で実際に確認していること

について解説します。

理学療法士・森野の結論

膝に痛みや違和感があっても、痛みの程度や原因によってはスクワットを行える場合があります。

ただし、痛みを我慢して同じフォームや深さで続けるのではありません。

どのような動きで痛みが出るのかを確認し、スクワットの深さ、回数、負荷を調整しながら、痛みが強くならない身体の使い方を探すことが大切です。

動作中だけでなく、運動した当日の夜や翌朝に、痛み、腫れ、熱感が増えていないかも確認します。

回答者:森野秀明
理学療法士(国家資格)・パーソナルトレーナー

膝が痛くてもスクワットできる場合はある?

膝に痛みや違和感がある場合でも、スクワットを行えるケースはあります。

膝の痛みがある方への運動は、一律に禁止するのではなく、その方の症状や身体機能に合わせて調整することが重要です。

変形性膝関節症などに対しても、筋力トレーニングや関節の動きを保つ運動が行われる場合があります。日本整形外科学会は、大腿四頭筋の強化や関節可動域改善訓練などを治療方法の一つとして紹介しています。また、NICEのガイドラインでも、個人の状態に合わせた筋力強化や有酸素運動が推奨されています。

ただし、

  • 何が原因で痛んでいるのか
  • どの程度の痛みなのか
  • どの深さで痛むのか
  • 動作中に痛みが増えるのか
  • 翌日まで症状が残るのか

によって、スクワットを続けてよいかは異なります。

「膝が痛くても必ずスクワットしてよい」という意味ではありません。

変形性膝関節症と診断されており、スクワットやウォーキングを続けてよいか不安な方は、「変形性膝関節症でも筋トレできる?スクワット・ウォーキングとやってはいけない運動」もあわせてご覧ください。

スクワットをする前に、痛む場所とタイミングを確認する

K2では、膝に不安がある方へ、いきなりスクワットを行ってもらうことはありません。

まずは、どのような状態で痛みが出るのかを確認します。

痛みが出る場所

  • 膝の内側
  • 膝の外側
  • 膝のお皿の上側
  • 膝のお皿の下側
  • 膝の裏側
  • 膝全体

痛みが出るタイミング

  • 膝を曲げるとき
  • 膝を伸ばすとき
  • 立ち上がるとき
  • 椅子へ座るとき
  • 階段を上るとき
  • 階段を下りるとき
  • 歩くとき
  • 体重をかけていない状態でも痛むとき
  • じっとしているときや夜間

体重をかけない状態で膝を曲げ伸ばしした場合と、立った状態で体重をかけた場合を比較することもあります。

痛みが出る位置やタイミングを確認することで、どのような動作を避け、どの範囲から運動を始めるかを考えやすくなります。

痛みを確認するために、無理に深く曲げたり、何度も痛い動きを繰り返したりする必要はありません。

痛みを0~10で確認する

森野が運動指導で痛みを確認するときは、全く痛くない状態を「0」、耐えられないほどの激痛を「10」として、本人が感じる痛みを数値で確認します。

これは医療機関での診断基準ではなく、K2で運動内容を調整する際の目安です。

痛みの程度運動時の判断目安
0痛みなし。動作や翌日の状態を確認しながら行う
1~3軽い違和感や軽微な痛み。フォームや深さを調整しながら確認する
4上限に近い状態。深さや回数を減らし、下がらなければ中止する
5以上無理に継続せず、その場で中止する
動くたびに増える痛み数字にかかわらず中止または大きく調整する

軽い違和感がある場合でも、痛みを我慢して続けるのではありません。

スクワットの深さを浅くする、椅子を使う、回数を減らすなどの工夫によって、痛みが強くならない動作を探します。

また、痛みを数値だけで判断することもできません。

同じ「3」の痛みでも、

  • 刺すような痛み
  • 膝が崩れそうな感覚
  • 引っかかる感覚
  • 腫れや熱感を伴う痛み

がある場合は、運動を続けない方がよいことがあります。

膝の痛みを0から10で確認しながらスクワット継続の目安を判断するガイド画像

動作中だけでなく、当日の夜と翌朝も確認する

スクワット中に強い痛みがなかったとしても、運動後の身体の反応を確認することが大切です。

次のような変化がないか確認しましょう。

  • 当日の夜に膝の痛みが強くなった
  • 翌朝になっても痛みが残っている
  • 左右を比べると膝のお皿周辺が腫れている
  • 膝に熱っぽさを感じる
  • 歩くときの痛みが普段より強い
  • 階段を下りるときの膝の痛みが強くなった
  • 膝を曲げ伸ばししにくくなった

このような変化がある場合は、前回のスクワットの深さ、回数、負荷、フォームなどが、現在の身体に合っていなかった可能性があります。

次回も同じ内容を繰り返すのではなく、運動を休むか、深さや回数を減らして調整します。

痛みや腫れが強い場合、数日間休んでも症状が引かない場合は、医療機関へ相談してください。

スクワットで膝が痛くなる原因は膝だけとは限らない

スクワットで膝が痛くなると、膝関節だけが悪いと思われがちです。

しかし、実際には膝以外の動きが影響していることもあります。

K2では、次のような部分を確認します。

  • 足裏でどのように地面を踏んでいるか
  • 足の指が必要以上に力んでいないか
  • 足首が動いているか
  • 股関節が曲がっているか
  • 膝が内側へ大きく入っていないか
  • 背中が丸まりすぎていないか
  • 腰を反りすぎていないか
  • お尻や太ももの筋肉を使えているか
  • 身体に過度な力みがないか

膝だけを先に大きく曲げるような動作になると、膝周辺へ負担が集中しやすくなることがあります。

一方で、股関節、膝、足首が連動して動けば、下半身全体で身体を支えやすくなります。

大切なのは、膝をできるだけ曲げないことではなく、膝だけに動きを集中させないことです。

膝への負担と足裏の使い方やアーチの関係については、「外反母趾は足先だけの問題?足裏のアーチと歩き方から見直す身体づくり」でも詳しく解説しています。

膝がつま先より前に出てはいけない?

スクワットでは、

「膝をつま先より前へ出してはいけない」

と聞いたことがある方もいるでしょう。

しかし、膝がつま先より前へ出ること自体を、一律に間違いとすることはできません。

足首の柔軟性、脚の長さ、身体の骨格、スクワットの深さによって、膝の位置は変わります。

膝を前へ出さないように過度に制限すると、上半身が大きく前傾し、股関節や腰への負担が増える場合があります。膝の前方移動を制限したスクワットでは、膝への負荷が減る一方で、股関節側の負荷が大きくなったことを示した研究もあります。

見るべきポイントは、

  • 膝とつま先がおおむね同じ方向を向いているか
  • 足裏が床から浮いていないか
  • 膝が内側へ大きく崩れていないか
  • 痛みなく動けているか
  • 股関節、膝、足首が連動しているか

です。

膝に負担が集中しやすいスクワットの特徴

膝に負担が集中しやすいスクワットの特徴

次のような動作では、膝に不安がある方が痛みを感じやすくなることがあります。

膝だけを先に曲げている

しゃがみ始めから膝だけが大きく前へ動き、股関節が十分に動いていない状態です。

お尻を後ろへ引くだけにする必要はありませんが、股関節と膝を一緒に曲げる意識が大切です。

足の指で床を強くつかんでいる

転ばないように力むあまり、足の指を強く丸めている方もいます。

足の指が力みすぎると、足裏全体で身体を支えにくくなります。

足裏は、

  • かかと
  • 母趾球
  • 小趾球

の3点が床に触れているかを確認します。

背中が丸まりすぎている

深くしゃがもうとして背中が大きく丸まると、重心が不安定になる場合があります。

腰を反りすぎている

「姿勢をよくしよう」「胸を張ろう」と意識しすぎて、腰を強く反っている方もいます。

背中を固めすぎず、自然に呼吸できる姿勢を意識します。

また、スクワットで深くしゃがみにくい場合は、膝だけでなく股関節や足首の動き、背骨、体幹、骨格などが関係していることがあります。

「股関節が詰まる」「かかとが浮く」「深くしゃがもうとすると身体が前へ倒れる」という方は、「股関節が硬いとスクワットが浅くなる?理学療法士が原因とセルフチェックを解説」で詳しく紹介しています。スクワット中に腰の重だるさや痛みが気になる場合は、膝だけでなく腰の状態も確認する必要があります。

腰痛がある日に筋トレを続けてよい目安や、運動を中止した方がよい症状については、「腰痛がある日は筋トレを休むべき?理学療法士が判断基準を解説」で詳しく紹介しています。

「姿勢を良くしようとして腰を反りすぎてしまう」「腹筋や体幹トレーニングの選び方も知りたい」という方は、「反り腰の人は腹筋をしてもいい?理学療法士が腹筋の選び方と姿勢・呼吸を解説」もあわせてご覧ください。

腰痛がある日は筋トレを休むべき?理学療法士が判断基準を解説

無理に深くしゃがんでいる

深くしゃがむことだけを優先すると、現在の股関節や足首の動きに合わないフォームになり、膝の痛みが出る場合があります。

スクワットの深さは、身体の状態に合わせて調整します。

通常のスクワットが難しい方は椅子を使う

膝に不安がある方や運動初心者は、最初から深いスクワットを行う必要はありません。

まずは、椅子や高さのある台を使います。

椅子を使ったスクワットの方法

  1. 安定した椅子を用意する
  2. 椅子の前に立ち、足を腰幅から肩幅程度に開く
  3. かかと、母趾球、小趾球の3点で床を踏む
  4. 股関節と膝を一緒に曲げ、椅子へ腰を下ろす
  5. 痛みが出る手前で止める
  6. 足裏全体で床を踏み、ゆっくり立ち上がる

最初は、完全に座ってから立ち上がっても構いません。

慣れてきたら、椅子へ軽く触れる位置で立ち上がる練習へ進めます。

AAOSの膝コンディショニングプログラムでも、身体を椅子へ下ろすように行うハーフスクワットが紹介されています。

ただし、椅子を使えば必ず安全という意味ではありません。

膝の痛みが強くなる場合や、立ち上がる際に膝が崩れる場合は中止してください。

椅子を使ったスクワットの方法

スクワットだけでなく、40代の運動初心者がどのような筋トレから始めればよいか知りたい方は、「40代女性が筋トレを始めるなら?初心者向けメニューと自宅・ジムの選び方」も参考にしてください。

スクワットの強度は「深さ・回数・負荷」の順に調整する

K2では、膝に不安がある方のスクワットを次の順番で調整します。

1.深さを調整する

最初に、どの深さなら痛みや不安が出にくいかを確認します。

椅子や台を高くすると、しゃがむ深さを浅くできます。

安定して行えるようになってから、少しずつ椅子の高さを下げます。

2.回数・セット数を調整する

同じ深さで安定して行えるようになったら、回数やセット数を少しずつ増やします。

回数を増やした日の夜や翌朝に痛みが強くなる場合は、元の回数へ戻します。

3.負荷を加える

深さと回数を増やしても問題がないことを確認してから、ダンベルなどの負荷を加えます。

深さ、回数、負荷を一度に増やすと、何が原因で痛みが出たのかわからなくなります。

一つずつ変更し、身体の反応を確認することが大切です。

K2ではどのように膝の状態を確認する?

K2では、スクワットのフォームだけを見て判断するのではありません。

理学療法士・森野は、次のような流れで身体を確認します。

  1. 痛む場所やタイミングを聞く
  2. 日常生活で痛みが出る動作を確認する
  3. 体重をかけない状態で膝を曲げ伸ばしする
  4. 立った状態で膝を曲げ伸ばしする
  5. 足裏の踏み方を確認する
  6. 足首の動きを確認する
  7. 股関節の動きを確認する
  8. 背骨や骨盤の位置を確認する
  9. 椅子や台を使って、痛みの出にくい深さを探す
  10. 当日夜や翌日の身体の反応を確認する

膝だけを見て、

「膝が弱いから鍛えましょう」

と決めるわけではありません。

お尻、内もも、前もも、後ろもも、ふくらはぎ、腹部などの筋力や、足首・股関節の柔軟性も確認しながら、その方に合った運動内容を考えます。

スクワットを中止して医療機関へ相談した方がよい症状

次のような症状がある場合は、自己判断でスクワットを続けず、医療機関へ相談してください。

  • 体重をかけるだけで強い痛みがある
  • 膝が大きく腫れている
  • 膝に強い熱感や赤みがある
  • 発熱を伴っている
  • 膝が引っかかり、曲げ伸ばしできない
  • 動作中に膝がガクッと崩れる
  • 転倒やひねりなどの外傷後から強く痛む
  • じっとしているときや夜間にも痛む
  • 数日間休んでも痛みが軽くならない
  • 日ごとに痛みが強くなっている

膝が非常に痛い、体重をかけられない、強く腫れている、膝がロックする、膝崩れがある、膝が熱を持ち発熱を伴うといった場合は、早めの医療相談が必要とされています。

膝から音がするだけで、必ず異常とは限りません。

ただし、音とともに痛み、腫れ、熱感、引っかかり、膝崩れがある場合は、運動を中止して状態を確認しましょう。

よくある質問

Q. 膝が少し痛くてもスクワットを続けてよいですか?

軽い違和感であっても、痛みを我慢して同じ方法を続けるのは避けましょう。K2では、痛みを0~10で確認し、1~3程度の軽い範囲に収まっているか、動作を繰り返して痛みが増えていないかを確認します。

深さや回数を減らしても痛みが強くなる場合は中止します。

Q. スクワット後に翌日だけ痛くなった場合はどうすればよいですか?

前回の深さ、回数、負荷が現在の身体に合っていなかった可能性があります。

次回は深さや回数を減らし、痛み、腫れ、熱感が落ち着いていることを確認してから再開します。症状が数日間続く場合や強くなる場合は、医療機関へ相談してください。

Q. 膝はつま先より前に出してはいけませんか?

膝がつま先より前へ出ること自体を、一律に間違いとすることはできません。

足首の柔軟性、骨格、脚の長さ、スクワットの深さによって膝の位置は異なります。膝とつま先の方向、足裏の接地、股関節・膝・足首の連動を確認することが大切です。

Q. 深くしゃがんだ方が効果は高いですか?

深くしゃがめば、必ず効果が高くなるわけではありません。

膝に不安がある方は、痛みなく安定して動ける深さから始めます。深さを増やすことよりも、身体を安定させて動けることを優先しましょう。

Q. 膝から音がする場合はスクワットをやめるべきですか?

音だけで痛み、腫れ、引っかかりなどがなければ、必ずしも運動を中止する必要はありません。

ただし、音とともに痛みや膝崩れがある場合は、自己判断で続けず医療機関へ相談してください。

Q. 変形性膝関節症でもスクワットできますか?

変形性膝関節症と診断されていても、状態に合わせて筋力トレーニングが行われる場合があります。

ただし、症状や関節の状態は人によって異なります。医師から運動について指示を受けている方は、その指示を優先してください。

香芝市・五位堂で膝に不安がある方へ

膝に痛みがあるからといって、すべての運動を諦める必要はありません。

一方で、痛みを我慢して自己流のスクワットを続けることもおすすめできません。

大切なのは、

  • どの場所が痛むのか
  • どの動作で痛むのか
  • どの深さなら動けるのか
  • 足首や股関節が動いているか
  • 足裏で身体を支えられているか
  • 当日夜や翌朝に症状が増えていないか

を確認しながら、現在の身体に合った運動を選ぶことです。

香芝市・五位堂周辺のK2 STYLE FITNESSでは、理学療法士の資格を持つトレーナーが、姿勢や身体の動かし方、足首や股関節の動きなどを確認しながら、運動初心者や膝に不安がある方のトレーニングをサポートしています。

いきなり深くしゃがんだり、重い負荷を使用したりするのではなく、椅子や台を使用し、痛みや不安が出にくい動作から段階的に進めます。

「膝が痛いけれど、筋力は落としたくない」

「自分のスクワットが合っているのかわからない」

「何から運動を始めればよいかわからない」

という方は、まずは無料カウンセリングでご相談ください。

※K2 STYLE FITNESSは医療機関ではありません。病気やけがの診断、治療は行っていません。強い痛み、腫れ、熱感、膝崩れ、引っかかりなどがある場合は、トレーニングを行う前に医療機関へご相談ください。

参考資料

無料カウンセリング受付中

この記事を書いた人

森野秀明のアバター

パーソナルトレーナー/理学療法士

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