「腰が重だるいけれど、今日は筋トレしてもいい?」
「腰痛がある日は、運動を全部休んだ方がいいのかわからない」
「筋トレをすると腰痛が悪化しそうで怖い」
「腰が痛いから腹筋を鍛えた方がいいと言われたけれど、本当にやって大丈夫?」
このようなお悩みはありませんか?
腰痛があると、
「痛みがなくなるまで、できるだけ動かない方がいい」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、腰痛があるからといって、必ずすべての運動を休まなければならないわけではありません。
一方で、鋭い痛みや足のしびれ、力が入りにくいなどの症状がある状態で、無理に筋トレを続けることもおすすめできません。
大切なのは、
「腰が痛いか、痛くないか」だけではなく、どのような痛みなのか、どの動作で痛むのか、神経症状がないかを確認したうえで、運動を続けるか、内容を変更するか、中止するかを判断することです。
この記事では、K2 STYLE FITNESS所属の理学療法士・森野秀明が、
- 腰痛がある日は筋トレを休むべきか
- 運動を調整しながら続けられる場合
- 筋トレを中止した方がよい腰痛
- 足のしびれや力の入りにくさがある場合
- 腰痛がある日に避けたい運動
- 腰への負担を減らすための運動方法
- K2で腰痛がある方の何を確認しているのか
について解説します。
理学療法士・森野の結論
腰痛があるからといって、必ず筋トレをすべて休む必要があるとは限りません。
慢性的な重だるさや張り感程度で、身体を動かしても痛みが強くならず、足のしびれや力の入りにくさなどもない場合は、種目や負荷を変更して運動を続けることがあります。
一方で、ズキッとする鋭い痛み、動かすと強い痛みが出る、足にしびれや力の入りにくさがあるといった場合は、その日の筋力トレーニングを中止し、必要に応じて医療機関への相談を優先します。
「休むか、筋トレするか」の二択ではなく、現在の身体の状態に合わせて運動内容を調整することが大切です。
回答:森野秀明
理学療法士(国家資格)・パーソナルトレーナー
腰痛があっても必ず筋トレを休む必要はない?
腰痛があるからといって、すべての運動を完全に中止する必要があるとは限りません。
例えば、
- 腰が少し重だるい
- 長時間座った後に張っている感じがする
- 身体が固まっているように感じる
- 軽く身体を動かすと少し楽になる
- 運動中に痛みが強くならない
- 足のしびれや力の入りにくさがない
といった場合は、運動内容や負荷を調整しながら身体を動かせることがあります。
特に、デスクワークや長時間の座り仕事のあとに腰が重くなる方は、腹筋だけでなく、お尻・体幹・股関節の使い方や、座りっぱなしになっていないかを確認することも大切です。
詳しくは、「座り仕事で腰が痛い人は何を鍛える?理学療法士がお尻・体幹・股関節を解説」で紹介しています。
腰痛では、一律に安静を続けるよりも、その方の状態に合わせて通常の活動を続けることが推奨されています。NICEの腰痛ガイドラインでも、腰痛がある方へ、能力や状態に合わせて通常の活動を続けることや、必要に応じて運動プログラムを検討することが推奨されています。
WHOも慢性腰痛への対応として、運動を含めた個人に合わせた包括的なアプローチを推奨しています。
ただし、
「腰痛でも身体を動かした方がよい」=「痛みを我慢して筋トレを続けてよい」
という意味ではありません。
痛みの種類や強さを確認することが先です。
「反り腰が気になる」「腹筋をすると腰が痛くなる」という方は、「反り腰の人は腹筋をしてもいい?理学療法士が原因とおすすめ運動を解説」
も参考にしてください。
森野は腰の痛みを0〜10で確認する
K2で腰に不安がある方を見るとき、森野は本人が感じている痛みの強さを確認します。
全く痛くない状態を「0」、耐えられないほどの強い痛みを「10」とした場合、0〜3程度の軽い重だるさや張り感に収まっているかを、運動内容を考える際の目安のひとつにしています。
| 痛み・症状 | K2での考え方の目安 |
|---|---|
| 0 | 痛みなし |
| 1〜3程度 | 軽い重だるさ・張り感。症状が悪化しなければ種目や負荷を調整して行う場合がある |
| 痛みが動作ごとに強くなる | 運動を中止または大きく調整する |
| ズキッとする鋭い痛み | その動作を中止する |
| しびれ・力の入りにくさを伴う | 筋トレを中止し、必要に応じて医療機関へ相談する |
| 安静にしていても強く痛む | トレーニングより医療機関への相談を優先する |
この0〜3という数値は、すべての腰痛に共通する診断基準ではありません。
あくまで、森野が運動内容を調整する際に本人の自覚症状を把握するための目安です。
数字が低くても、しびれ、筋力低下、鋭い痛みなどがある場合は、数値だけで「運動してよい」と判断しません。

運動を調整しながら続けられることがある腰痛とは?
例えば、次のような状態です。
- 腰全体が重だるい
- 筋肉が張っているように感じる
- 長時間同じ姿勢を取った後に固まった感じがする
- 痛みが0〜3程度
- 動作を繰り返しても痛みが増えていかない
- 足へのしびれがない
- 足に力が入りにくい感覚がない
- 軽く身体を動かすと楽になる
このような場合でも、普段どおりの高負荷トレーニングをそのまま行うとは限りません。
その日の状態に合わせて、
- 重量を下げる
- 可動域を狭くする
- 回数を減らす
- 腰への負担が少ない種目へ変更する
- 軽い体幹運動へ変更する
- 軽い身体活動に変更する
といった調整を行います。
腰痛に対する運動では、その人の状態、能力、好みに合わせて運動内容を選択することが重要とされています。
筋トレを中止した方がよい腰痛とは?
一方で、次のような症状がある場合は、無理に筋トレを続けない方がよいでしょう。
動かした瞬間に鋭い痛みが走る
「ズキッ」「ピキッ」といった鋭い痛みが出た場合は、その動作を繰り返さないようにします。
痛みを確認するために、
「もう一回やってみよう」
と何度も同じ動作を繰り返すのは避けましょう。
何もしていなくても強く痛む
座っていても痛い。
横になっていても痛い。
夜中に痛みで目が覚める。
このように、身体を動かしていないときにも強い痛みが続く場合は、トレーニングよりも身体の状態を確認することを優先します。
足にしびれや力の入りにくさがある
腰痛だけでなく、
- 太もも
- ふくらはぎ
- 足先
などにしびれやピリピリした感覚がある場合は注意が必要です。
さらに、
- 片脚に力が入りにくい
- 足を持ち上げにくい
- 歩き方が急に変わった
などの筋力低下を感じる場合は、自己判断で筋トレを続けず、医療機関への相談を検討してください。
日本整形外科学会も、腰痛に加えて下肢のしびれや筋力低下、発熱、安静時にも軽くならない痛みなどがある場合は、速やかな整形外科受診を勧めています。
腰痛があるときは「曲げると痛いか・反ると痛いか」も確認する
腰痛がある方全員に、同じ運動を行うわけではありません。
森野は、
- 前へ身体を曲げたときに痛むのか
- 後ろへ反ったときに痛むのか
- 身体をひねったときに痛むのか
- 座っていると痛むのか
- 立っていると痛むのか
- 歩くと痛むのか
などを確認します。
例えば、「腰痛だから腰をストレッチすればよい」と考えて、痛みが出る方向へ何度も身体を曲げると、かえって症状が強くなることがあります。
運動は、痛いところを無理に動かすために行うのではなく、どの動きなら無理なく行えるかを確認することが重要です。
腰痛がある日に避けたい筋トレ
腰痛がある日の運動では、特定の種目を一律に禁止するというより、現在の症状に合わない負荷や動作を避けることが大切です。
痛みを我慢した高重量トレーニング
普段より腰が痛い日に、「予定どおりの重量をこなさないといけない」と考える必要はありません。
高重量のスクワットやデッドリフトなどで痛みが増える場合は、重量を下げるか、その日の種目を変更します。
特にデッドリフトで腰が痛くなる方は、重量だけではなく、股関節を使ったヒップヒンジ、腰の反りすぎ、バーの軌道なども確認する必要があります。
詳しくは、「デッドリフトで腰が痛くなる原因は?理学療法士がフォーム・ヒップヒンジ・重量の見直し方を解説」をご覧ください。
痛みをかばった不自然なフォーム
腰が痛いために、
- 身体を片側へ傾ける
- 腰を必要以上に反らす
- 背中を固めすぎる
- 本来の可動域とは異なる動きになる
など、痛みをかばったフォームになっている場合があります。
その状態で負荷をかけ続けると、別の部位へ負担が集中する可能性があります。
「腰痛には腹筋」と考えて無理に腹筋運動をする
腰痛があると、
「腹筋が弱いから腰が痛い」
と考える方もいます。しかし、腰痛の原因は腹筋の弱さだけではありません。
痛みがある日に上体起こしなどを何度も行えば、かえって腰への負担が増える場合もあります。
腹筋だけでなく、
- 呼吸
- 体幹
- 股関節
- 骨盤周辺
- 下半身
- 日常生活の姿勢や活動量
なども含めて身体を確認する必要があります。
腰痛がある日はどんな運動へ変更する?
強い痛みや神経症状がなく、軽い重だるさや張り感程度の場合は、その日の状態に合わせて運動を変更することがあります。
森野が候補として挙げているのが、
- バードドッグ
- 状態に応じたプランク
- 股関節周辺の軽い運動
- 足首周辺の運動
- 前ももや股関節周辺の軽いストレッチ
などです。
ただし、
「腰痛ならバードドッグをすればよい」
「プランクなら安全」
という意味ではありません。
その運動で腰痛が強くなるのであれば行いません。

初心者でも行いやすいバードドッグ
バードドッグは、四つ這いの姿勢から手脚を動かし、体幹を安定させる練習です。
やり方
- 四つ這いになる
- 手は肩の下、膝は股関節の下に置く
- 腰を強く反らせず、自然に呼吸する
- 片方の手と反対側の脚をゆっくり伸ばす
- 骨盤が大きく傾かない範囲で戻す
- 反対側も行う
最初から手と脚を両方大きく上げる必要はありません。
難しい場合は、
- 片手だけ
- 片脚だけ
から始めても構いません。
腰に鋭い痛みや、脚へのしびれが出る場合は中止してください。
プランクも腰を反ればよいわけではない
プランクも体幹トレーニングとしてよく使われます。
しかし、疲れてくると、
- 腰が大きく反る
- お腹が落ちる
- 肩や首に力が入りすぎる
- 呼吸を止める
といったフォームになりやすくなります。
長時間耐えることが目的ではありません。
自然に呼吸しながら、腰の痛みが強くならない時間で行うことが大切です。
コルセットに頼り続ければ腰痛は防げる?
腰痛があるときに、コルセットを使っている方もいるでしょう。
コルセット自体を一律に否定する必要はありません。
医師から装具について指示を受けている場合は、その指示を優先してください。
一方で、
「コルセットを着けていれば、痛くてもいつもどおり筋トレしてよい」
と考えるのは避けましょう。
腰痛があるときは、コルセットだけに頼るのではなく、症状の原因や身体の動きを確認することが大切です。
NICEでは、一般的な腰痛や坐骨神経痛の管理を目的として、ベルトやコルセットを通常使用することは推奨していません。
急に腰が痛くなったら完全に安静にした方がいい?
急に強い腰痛が出た場合、その日の高負荷トレーニングは中止します。
しかし、
腰痛=何日もベッドで動かず安静
がすべての方に適しているわけではありません。
重い症状がない場合は、状態に応じて日常生活や軽い活動を続けることが推奨されています。
無理に筋トレする必要はありませんが、
- 痛みの出にくい姿勢を探す
- 無理のない範囲で日常生活を続ける
- 症状に合わせて徐々に活動量を戻す
といった考え方が基本になります。
K2では腰痛がある方の何を確認する?
K2では、
「腰が痛いから腹筋を鍛えましょう」
とすぐに種目を決めるのではありません。
理学療法士・森野は、まず次のような点を確認します。
1.痛みの強さ
0〜10で、現在どの程度の痛みなのかを確認します。
2.どのような痛みなのか
- 重だるい
- 張っている
- ズキッとする
- ピキッとする
- ピリピリする
など、痛みや違和感の種類を確認します。
3.どの動作で痛むのか
- 前へ曲げる
- 後ろへ反る
- ひねる
- 立ち上がる
- 歩く
- スクワットする
など、痛みが出る動作を確認します。
4.足にしびれがないか
太ももから足先まで、感覚の変化がないか確認します。
5.足に力が入りにくくないか
左右差や、普段と比べた力の入り方も確認します。
6.身体の使い方
痛みをかばって、
- 腰を反りすぎていないか
- 背中を固めすぎていないか
- 身体が片側へ傾いていないか
- 股関節を使えているか
などを確認します。
そのうえで、
「今日は休む」
「負荷を下げる」
「種目を変える」
「体幹トレーニングへ変更する」
「医療機関へ相談する」
といった判断を行います。

腰痛があるときに医療機関へ相談した方がよい症状
次のような症状がある場合は、自己判断でトレーニングを続けず、医療機関へ相談してください。
- 安静にしていても強い痛みが続く
- 痛みが徐々に悪化している
- 夜間にも強い痛みがある
- 発熱を伴っている
- 足へのしびれがある
- 足に力が入りにくい
- 歩行が明らかに困難になった
- 転倒や事故の後から強く痛む
- 数日〜1週間程度経過しても強い痛みが改善しない
日本整形外科学会も、安静にしても軽くならない痛み、徐々に悪化する痛み、発熱、下肢のしびれ・筋力低下、尿漏れなどを伴う腰痛では、速やかな整形外科受診を勧めています。
特に早急な受診が必要な症状
腰痛や脚の症状とともに、
- 急に尿が出にくくなった
- 尿をコントロールできなくなった
- 排便をコントロールできない
- お尻・股・太ももの内側などの感覚がおかしい
- 急激に脚の力が入りにくくなった
といった症状が出た場合は、緊急性のある神経障害が隠れている可能性があります。
このような場合はトレーニングを行わず、速やかに医療機関を受診してください。
よくある質問
Q. 腰が少し重だるいだけでも筋トレを休んだ方がいいですか?
必ずしもすべての筋トレを休む必要はありません。
K2では、重だるさや張り感程度で、痛みが0〜3程度に収まり、動作で悪化せず、足へのしびれや力の入りにくさがない場合は、負荷や種目を調整して運動することがあります。
ただし、この数値は診断基準ではありません。
Q. 腰痛がある日はスクワットをしてもいいですか?
スクワットをすると腰痛が強くなる場合は、普段と同じ方法で続けないようにします。重量、深さ、回数を減らす方法もありますが、痛みをかばってフォームが崩れる場合は、その日は別の種目へ変更することもあります。また、スクワットで腰を大きく反ったり丸めたりする場合は、腰だけでなく股関節や足首の動きが関係していることもあります。スクワットの深さと股関節・足首・骨格の関係については、「股関節が硬いとスクワットが浅くなる?理学療法士が原因とセルフチェックを解説」で詳しく紹介しています。
Q. 腰痛には腹筋を鍛えた方がいいですか?
腹部や体幹の筋肉を鍛えることが役立つ場合はあります。しかし、「腰痛=腹筋不足」と決めつけることはできません。痛みの出方、股関節の動き、姿勢、活動量なども含めて確認する必要があります。
Q. 腰痛があるときはプランクをしてもいいですか?
痛みが強くならない場合には、選択肢になることがあります。ただし、腰を大きく反らせたり、長時間我慢したりする必要はありません。プランクで痛みやしびれが増える場合は中止してください。
Q. 腰痛があるときはストレッチした方がいいですか?
腰痛だからといって、痛む方向へ無理に伸ばす必要はありません。股関節や太もも周辺のストレッチが行いやすい方もいますが、ストレッチによって腰痛や脚のしびれが強くなる場合は中止してください。
Q. ぎっくり腰になったら完全に寝ていた方がいいですか?
急な強い痛みがある時期に、高負荷の筋トレを行う必要はありません。一方で、重い症状がない場合に長期間まったく動かないことが、すべての腰痛に適しているわけではありません。状態に応じて日常活動へ戻していくことが重要です。
香芝市・五位堂で腰痛があり筋トレに不安がある方へ
腰が痛いと、「今日は筋トレを休んだ方がいいのか」「動いた方がいいのか」判断できず、不安になる方もいると思います。
大切なのは、腰痛があるかどうかだけで判断しないことです。
- 痛みはどの程度なのか
- 重だるいのか、鋭く痛むのか
- 曲げると痛いのか
- 反ると痛いのか
- 足にしびれがないか
- 足に力が入りにくくないか
- どの運動なら痛みが強くならないか
を確認しながら、その日の身体に合わせて運動内容を調整します。
香芝市・五位堂周辺のK2 STYLE FITNESSでは、理学療法士の資格を持つトレーナーが、腰だけではなく、姿勢、股関節、下半身、体幹、日常生活での身体の使い方などを確認しながらトレーニングをサポートしています。
「腰に不安があるけれど、身体は鍛えたい」
「筋トレすると腰が痛くなる原因がわからない」
「どの運動ならできるのかわからない」
という方は、まずは初回体験・カウンセリングでご相談ください。
※K2 STYLE FITNESSは医療機関ではありません。本記事は一般的な運動情報を紹介するものであり、病気やけがの診断・治療を目的としたものではありません。強い痛み、足のしびれや筋力低下、発熱、排尿・排便の異常などがある場合は、トレーニングより医療機関への相談を優先してください。
参考資料
- 日本整形外科学会「腰痛」
- NICE「Low back pain and sciatica in over 16s: assessment and management」
- WHO「Guideline for non-surgical management of chronic primary low back pain in adults」
- WHO「Low back pain」




