「最近、階段を上るのが以前よりしんどい」
「椅子から立つときに、つい手をついてしまう」
「歩幅が小さくなった気がする」
「何もないところでつまずくことが増えた」
このような変化を感じて、
「筋力が落ちてきたのかな?」
と不安になる方もいるのではないでしょうか。
筋力が落ちたと感じたからといって、いきなり重いダンベルやバーベルを持つ必要はありません。
まず大切なのは、
現在の身体がどのように動いているのかを確認し、自重や軽い負荷から身体を動かす習慣を作ること
です。
この記事では、K2 STYLE FITNESS所属の理学療法士・森野秀明が、
- 筋力低下に気づきやすい日常生活の変化
- 自宅で確認できる3つの動作
- 筋力が落ちたと感じたら最初に何をするか
- いきなり高重量の筋トレが必要ない理由
- 初心者が始めやすい運動
- 筋力だけでなく柔軟性やバランスを見る理由
- K2では何を確認するのか
について解説します。
理学療法士・森野の結論
筋力が落ちたと感じたときに、いきなり重いものを持つ必要はありません。
まずは自分の体重や軽いおもり、バンドなどを使って、身体を動かす習慣を作ることが大切です。
その中で、力の入れ方や身体の動かし方をもう一度確認していきます。
筋力だけを見るのではなく、姿勢、柔軟性、バランス、呼吸なども確認しながら、その方に合った運動から始めていきます。
回答:森野秀明
理学療法士(国家資格)・パーソナルトレーナー
筋力が落ちたことは日常生活のどこで気づく?
森野がひとつの目安として確認するのは、特別な筋トレではなく普段の生活動作です。
例えば、
- 椅子から立ち上がりにくくなった
- 階段を上るのが以前より大変になった
- 歩くスピードが遅くなった気がする
- 歩幅が以前より小さくなった
- ちょっとした段差でつまずくことが増えた
- 長く歩くと以前より疲れる
といった変化です。
ただし、こうした変化があるからといって、
「筋力低下が原因だ」と自分で断定することはできません。
関節の状態、バランス、柔軟性、視覚、感覚、体調などが関係する場合もあります。
そこでK2では、ひとつの動作だけではなく、複数の動作を確認します。

「年齢のせい」で終わらせなくてもいい
50代になると、
「もう歳だから階段がしんどいのは仕方ない」
「つまずくのも年齢のせい」
と思ってしまう方もいます。
もちろん、身体には年齢による変化があります。
しかし、
年齢だけを理由に、身体を動かすことを諦める必要はありません。
厚生労働省は成人に対して、現在の身体活動量にかかわらず、可能なものから少しでも多く身体を動かすこと、そして筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。
重要なのは、
「昔できたこと」と比較するだけではなく、「今できること」を確認すること
です。
自宅で確認したい3つの動作
森野は、筋力や身体機能が気になる方に、
- 椅子からの立ち上がり
- 片脚立ち
- タンデム姿勢・歩行
などを確認することがあります。
これらは筋力だけを測定するものではありません。
脚の筋力、バランス、姿勢、身体のコントロールなどを確認するための簡易的な動作チェック
として考えてください。
医療や研究の分野でも、椅子からの立ち上がりや歩行能力は身体機能を評価する方法として利用されています。

セルフチェック① 椅子から立ち上がる
まず、安定した椅子に座ります。
やり方
- 椅子へ浅すぎず深すぎず座る
- 足裏を床につける
- 可能であれば手を使わず立つ
- ゆっくり座る
確認するのは回数だけではありません。
- 勢いをつけないと立てない
- 左右どちらかへ大きく偏る
- 膝が大きく内側へ入る
- 腰を強く反って立つ
- 手を使わないと難しい
といった動きがないかを見ます。
大切なこと
無理に手を使わず立つ必要はありません。
転倒の不安がある場合は、手すりや安定した机などにつかまってください。
セルフチェック② 片脚で立つ
次は片脚立ちです。
壁や安定した家具の近くで行います。
確認すること
- 左右差が大きくないか
- 身体が大きく傾かないか
- 足裏で身体を支えられるか
- 強く力まないと立てないか
片脚立ちは脚の筋力だけではなく、バランスや感覚など複数の要素が関係します。
そのため、
「○秒できなければ筋力不足」
と単純に判断しないでください。
セルフチェック③ タンデム姿勢・タンデム歩行
タンデムとは、片方の足のかかとの前に、反対側のつま先を置くような姿勢です。
綱渡りのように足を縦へ並べるイメージです。
最初は歩かず、
足を前後に並べて立つだけ
でも構いません。
安定してできる場合は、壁の近くなど安全を確保して、ゆっくり数歩進みます。
確認すること
- 身体が左右へ大きく揺れないか
- 足元ばかり見ないと難しくないか
- 強く力まないと保てないか
- 左右差がないか
転倒の危険を感じる場合は行わないでください。
3つのチェックができなかったら筋力低下?
ここは重要です。
できなかった=筋力低下と診断できるわけではありません。
例えば椅子から立ちにくい場合でも、
- 脚の筋力
- 股関節の動き
- 膝の動き
- 足首の動き
- 痛み
- バランス
- 動作の癖
などが関係する可能性があります。
片脚立ちも同様です。
筋力だけではなく、
- 足裏の感覚
- 視覚
- バランス
- 関節の状態
などが関係します。
そのため、
「できなかったから、とにかく脚を鍛えよう」
ではなく、
なぜその動作が難しいのかを見ること
が大切です。
筋力が落ちたと感じたら何から始める?
森野が最初に勧めるのは、
自重や軽い負荷を使って身体を動かすこと
です。
例えば、
- 椅子からの立ち上がり
- 浅いスクワット
- ゴムバンド
- 軽いダンベル
- ウォーキング
などがあります。
筋トレというと、
「筋肉痛になるまで追い込まないと意味がない」
と思うかもしれません。
しかし、運動初心者ではまず、
身体を動かす習慣とフォームを身につけること
を優先します。

最初から重い筋トレをする必要はない
森野は、
筋力が落ちたと感じたからといって、最初から重い重量を扱う必要はありません。
と考えています。
高重量になるほどフォームを維持することが難しくなり、
- 腰を大きく反る
- 膝が内側へ入る
- 勢いを使う
- 肩や首へ力が入る
など、目的とは違う動きが出る場合があります。
厚生労働省も、筋力トレーニングにはマシンや重いウエイトだけでなく、自分の体重を負荷として使う自重トレーニングも含まれるとしています。
そのため、
軽い負荷=意味がない
わけではありません。
初心者は自重・バンド・軽い重量から
森野が初心者に使う方法のひとつが、
- 自重
- バンド
- チューブ
- 軽いダンベル
です。
目的は、
重い負荷に耐えることではなく、身体の動かし方を覚えること
です。
① 椅子からの立ち上がり
日常生活にも直結する運動です。
やり方
- 安定した椅子に座る
- 足裏を床につける
3.身体を軽く前へ移動する - ゆっくり立つ
- ゆっくり座る
5〜10回程度からでも構いません。
フォームを維持できる範囲で行います。
② バンドを使った運動
ゴムバンドは軽い負荷から始められます。
例えば、
- 背中
- 肩周辺
- お尻
- 股関節周辺
などの運動に利用できます。
大切なのは、
強いバンドを使うことではなく、狙った動作を丁寧にできること
です。
③ ウォーキング
歩くことも重要な身体活動です。
運動習慣がほとんどない方なら、
「毎日1時間歩く」
と最初から決める必要はありません。
10分程度の散歩など、現在の体力で続けられるところから始めても構いません。
筋力だけでなく柔軟性も確認する
森野は筋力低下が気になる方でも、筋力だけを確認しません。
例えば、
- 股関節
- 足首
- 肩
- 背骨
などの動きを確認します。
関節を動かしにくい状態では、トレーニングフォームにも影響する場合があるためです。
ただし、
「身体が柔らかくなるまで筋トレしてはいけない」
という意味ではありません。
現在動かせる範囲で筋力トレーニングを行いながら、必要に応じて柔軟性への運動も組み合わせます。
バランス能力も確認する
筋力が十分でも、身体を安定させにくい場合があります。
そのためK2では、
- 片脚立ち
- 足裏の感覚
- 左右差
- 歩き方
なども確認します。
65歳以上については、CDCも有酸素運動・筋力強化に加えてバランス活動を組み合わせることを推奨しています。
50代の段階から筋力だけではなく、立つ・歩く・身体を支えるといった動きを意識しておくことは、今後の身体づくりにも役立ちます。

「筋力低下=年齢」だけでは考えない
筋力や身体機能には年齢だけでなく、
- 運動習慣
- 日常の活動量
- 食事
- 睡眠
- 病気
- 痛み
- 体重変化
などさまざまな要素が関係します。
そのため、
「50代だから仕方ない」
と決めつける必要はありません。
反対に、急に身体の動きが変わった場合まで、
「筋力が落ちただけ」
と判断するのも避けてください。
急な筋力低下には注意する
次のような変化が急に現れた場合は、筋トレより医療機関への相談を優先してください。
- 片側の腕や脚だけ急に力が入りにくくなった
- 急に歩きにくくなった
- 強いしびれがある
- ろれつが回りにくい
- 強いめまいを伴う
- 胸痛や強い息切れがある
- 原因不明の急激な体重減少がある
- 発熱や強い全身症状を伴う
徐々に体力が落ちたように感じる場合でも、持病や治療中の病気がある方は、運動を始める前に医師へ相談してください。
K2では筋力が落ちたと感じる人の何を見る?
K2では、
「筋力が落ちましたね。では重いものを持ちましょう」
とは進めません。
森野はまず、
1.姿勢
立っているときの身体の位置や左右差を確認します。
2.柔軟性
股関節、足首、肩、背骨などの動きを確認します。
3.呼吸
動作中に必要以上に力んだり、息を止めたりしていないかを見ます。
4.椅子からの立ち上がり
脚だけでなく、股関節・膝・足首をどのように使っているか確認します。
5.片脚立ち
バランスや足裏の使い方、左右差を見ます。
6.しゃがむ動作
下半身をどのように使っているか確認します。
7.歩き方
歩幅、身体の揺れ、足の運びなどを見ます。
これらを確認して、
今の身体では何から始めるのがよいか
優先順位を決めます。

筋トレの最初の目標は「重いものを持つ」ではない
森野が運動初心者に大切にしてほしいのは、
身体の使い方を知ること
です。
例えば、
「スクワットをしているつもりだったけれど、腰ばかり使っていた」
「背中を鍛えているつもりだったけれど、肩や腕ばかり疲れていた」
ということがあります。
そのため最初は、
軽い負荷で正しく身体を動かせること
を目指します。
その動きが安定してから、少しずつ、
- 回数
- 負荷
- セット数
- 種目
を増やしていきます。
最終的には一人でも運動できる身体へ
パーソナルトレーニングの目的は、
ずっとトレーナーがいなければ運動できない状態を作ること
ではありません。
森野は、
- 自分の身体の特徴を知る
- 基本的なフォームを覚える
- 自分に合った重量を知る
- 痛みと筋肉の疲労感を区別する
- 運動前後の身体の状態を確認する
ことができれば、最終的には一人でも運動を続けやすくなると考えています。
よくある質問
Q. 筋力が落ちた気がしたら、まず何をすればいいですか?
まず日常生活の動作を確認してみましょう。
椅子からの立ち上がり、歩行、階段などで以前との変化がないかを確認します。
そのうえで、自重や軽い負荷から身体を動かす習慣を作ります。
Q. 筋力低下は椅子から立てれば問題ありませんか?
椅子からの立ち上がりだけでは判断できません。
筋力だけでなく、柔軟性、バランス、関節の状態なども関係します。
Q. 片脚立ちは何秒できればいいですか?
この記事では「○秒できれば正常」という判断には使用しません。
左右差や身体の揺れ、力みなどを見る簡易チェックとして利用します。
Q. 筋力を戻すには重いダンベルが必要ですか?
必ずしも必要ありません。
自重、バンド、軽い重量などでも筋力トレーニングはできます。
まずフォームを身につけ、徐々に負荷を調整します。
Q. ウォーキングだけでも筋力低下対策になりますか?
歩くことは重要な身体活動ですが、健康づくりでは筋力トレーニングも組み合わせることが推奨されています。
厚生労働省は成人に筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。
香芝市・五位堂で「筋力が落ちた」と感じている方へ
「以前より階段がしんどくなった」
「椅子から立つときに力が必要になった」
「運動した方がいいのは分かるけれど、何から始めればいいか分からない」
そんなときに、最初から重い筋トレをする必要はありません。
K2 STYLE FITNESSでは、理学療法士の資格を持つ森野が、
- 姿勢
- 柔軟性
- 呼吸
- 椅子からの立ち上がり
- 片脚立ち
- しゃがむ動作
- 歩き方
などを確認し、
今の身体に合った運動の始め方
を考えます。
50代から運動を始めたい方、運動経験が少ない方も初回体験・カウンセリングでご相談ください。



